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パッシブデザインとは?

006:太陽の恵みを活用する 3:壁・窓の断熱─結露の話─

断熱とも関係の深い、この季節気になる結露についてお話ししておきます。
上手く断熱できれば、太陽の恵みを大切に使うこともできるし結露ともさよならできるのです。
お宅の中で冬場に結露を経験したことのない方はほとんどいらっしゃらないのではなでしょうか?これがなければどれだけ快適に暮らせるだろうと思いますよね。

窓ガラスにできた水滴の始末は毎朝のこまりもの。でも拭けるところはまだいいのです。タンスの後ろやいつも行かない部屋にできてしまうと、知っていても知らなくてもついそのままでしばらくすればしっかりカビが発生します。その胞子は部屋の空気を汚染してしまい、その数が多くなればきっとアレルギーをおこしてしまうでしょう。(これらを表面結露と呼びます)
それにも増して手が付けられないのは、壁の中にできてしまう結露です。(壁体内結露)これは気づかぬうちにできていて、一度結露して水となった水蒸気はもう容易にもとの気体にはもどれないまま壁の下のほうへと落ちていきます。そして大切な構造体・柱や土台を濡らします。湿った木にはカビはもちろん腐敗菌も大喜びでやって来ます。またシロアリたちも乾いている木よりは好んで湿った木の方にくいつきます。
こんな風に、暮らしている人にもその家にも困ったことが起こる結露ですね。

なぜ結露が起こるのかその仕組みを整理しておきましょう。

結露は空気の中にある水蒸気(湿気・湿度)として蓄えられている水分が温度の変化に伴い、水の姿として出される現象といっていいでしょう。
つまり空気の中の水蒸気はその温度によって抱き込んでおいてもらえる量が変わるのです。気温が高ければたくさん、低いときは少しという風に。
例えば冬に暖房して暖まった部屋の空気や就寝中締め切った寝室の空気が外気温の影響を受けやすい窓ガラスに触れたときその気温が急に下がり水蒸気が水となってガラス面に結露するのです。また暖房している部屋の空気が建具の開け閉めによってその他の部屋に流れだし、冷たい空気と混ざったり冷やされたままの壁面や天井面または床面に触れて同様に結露します。
これが表面結露をおこす理由です。

そして壁体内結露をおこすのは、次のような理由です。
水蒸気をたくさん含んだ空気とそうでない空気が何かを隔てて両方にあると、水蒸気もまた水や熱と同じように高い湿度の方から低い方へ流れる法則があります。つまりたくさん水蒸気を含んだ空気から含み方の少ない方へ水蒸気は行こうとするわけです。
例えば冬に暖房した部屋の空気に含まれる水蒸気は気温が低く乾燥している外気の方へ流れていこうとするのです、壁の仕上げ材を通過して、断熱材を通過して外壁材を通過して。
けれども壁の中に入ったときに室内ほどの温度がない場合、そこで結露が起こったり、外壁側の壁体内表面で冷やされて結露したりするのです。

さて、結露を防ぐにはどうしたらいいのでしょう?
ただ結露をおこす条件を与えなければいいわけです。

1)気温の変化を避ける。─冷たい物に触れさせない。冷たい空気と混ぜない。

2)湿度そのものを下げておく。─冷えても水になる水蒸気をもたせない。

このふたつに尽きます。

1)に対して具体的な対策は、

◇壁面(もちろん床面・天井面も同様です):表面温度を室内の気温とあまり差ができないように保てばいいのです。
そのために外気温の影響が室内(壁面)側に伝わりにくくするように断熱をするのです。それはしっり断熱するにかぎります。
◇窓ガラス:ここに断熱材を挟むとせっかくのガラスの意味がなくなりますので、他の方法がいいですね。
建具やガラスをペアまたはトリプルにする。これはガラス間にある薄い空気層(特殊なガスの場合もあります)が断熱材の代わりに熱を伝えにくくしています。
また、シングルガラスの場合には内側から厚手のカーテンや断熱障子を設える、太鼓貼りにした障子もいいです。
もっと効果があるのは外側に断熱戸を付ける事です。陽が落ちたら雨戸を建てる昔ながらの方法も効果があります。これは窓内より外側、夏の熱の切り方と同じですね。
北海道で温熱の事を研究していらっしゃる方から聞いた話ですが、ペアガラス以上であればあえてカーテン等で室内と窓ガラスを遮断しない方が結露が起きないと言うことです。室内側のガラスを部屋と一緒に暖め気温との差ができないようにしてやるという、基本そのままです。
◇住まいの中で大きな気温の差を作らない事も大切です。
そのために全室暖房というようなこともいわれます。贅沢な感じもしますが、しっかり断熱をした建物ではさしてランニングコストもかさみません。
また、太陽熱を上手く取り込んで使いまわせるようにプランニングしていれば、そしてしっかり断熱ができていれば、熱源にたよらなくても「家中だいたい同じ気温」が実現できます。

2)にたいしての具体的な対策は

湿度を下げるのに除湿器を動かすのは端的な方法です。けれどある密閉された小さな空間であれば現実的ですが、住空間全体となるとそのコストまた廃熱について????が飛び交います。
住まい全体にもっと効果的な方法は、換気を十分にすることです。
私は第三種換気をシステムで使いますが、お手洗いや浴室の換気扇でも24時間まわしていれば効果があります。
換気は字が表すとおり空気を入れ換える事です。室内の水蒸気を含んだ空気とそれよりは乾燥している外気を入れ換える事です。それで室内の湿度が若干でも落ちてきます。
せっかく暖めた空気を外気と入れ替えちゃって、それじゃまた寒いじゃないかとお考えですか?
ここで言っているのは、住空間の40~50%の量を1時間で換気する程度の事です。外から入っているかどうか解るような気流は生まれません。また、外気温の影響で若干下がった温度は今まで床壁等の表面や家具に蓄えられた熱によってすぐに回復していきます。
熱交換付きの換気扇もありますが、熱交換機能を効率よく使いこなすためには相当の風量が必要になってきます。0.5回/時間どころの換気量では無理な範囲です。その風量を確保するためには?苦肉の策で空調機とのセットになって市場に出ています。
わずかな熱回収をするために余計な設備と電気を使わされます。これでは話が本末転倒です。
単純に少しだけいつも換気をしていると、それとは気づかぬうちに、住む人と家のために貢献します。
実際、私の自宅は(残念ながら)マンションですが入居時からずーっとお手洗いと浴室の換気扇をまわしています。そのお陰で、鍋料理をしたときの窓ガラスへの僅かな結露しか経験していません。もちろんカビ臭も何処にもありません。

お困りの方はどうぞ一度お試しください。

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