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つぶやき

雨水

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2016.02.19

2月19日「うすい」

太陽視黄経 330 度
陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也(暦便覧)
空から降るものが雪から雨に替わる頃、深く積もった雪も融け始める。春一番が吹き、九州南部ではうぐいすの鳴き声が聞こえ始める。

暖かくなったり寒くなったり三寒四温というのでしょうか、かなり激しい温度差でめまぐるしく変わる天候に、身体がついていくのに悲鳴あげそうと感じる今日この頃です。体調こわされていませんか?
この寒暖に翻弄される体調や居心地の良い悪いという感覚は、生命体として生きていく限りついてまわるのは、どなたも承知のことですが、せめて建物・住まいの中ではいくらかでも緩和され、できるなら快適域ですごせるのが理想です。それは居心地が良い事にとどまらず、身体ひいてはこころの健康に大きく関わってきます。そんな講義をちょうど昨日聞く機会がありましたので、少しご紹介します。

住宅医プレスクール九州2015の最終講義が熊本でありました。
2016年度には本スクールがやはり熊本で開催される事になっています。7月から翌年2月まで月一度の終日講座です。既存住宅の調査・診断・改修設計・施工・維持管理の基礎から実践を、名だたるたくさんの講師から学べる、希有なスクールです。東京・大阪など本州でしか開催されていませんが、2016年度に限り九州スクールが開催されます。
おっ! と思われた方は住宅医協会のホームページをチェックしてください。2016年度カリキュラムが近いうちに発表されるでしょう。受講料はかかりますがそれ以上の収穫があるはずです、力を込めてお勧めいたします。

という事で、住宅医プレスクール九州、第1講義がトヨダヤスシ建築設計事務所の豊田さんによる「住宅医による温熱環境手法」改修事例を数件と土壁について、その断熱についてなどなどこれからの仕事には大事な情報が盛りだくさんでした。
第2講義は近畿大学教授岩前先生の「室内環境と健康リフォーム」ご存知でしょう?室温と健康に関してのご研究されているあの方です。(写真は岩前先生)ご研究内容についていろんな角度からお話をしてくださいます。建築学部の教授ですがその技術的な話はしませんと始まりました。何をおいても住宅の断熱化を進めたい、そのマインドを持って帰ってくださいと様々な調査結果やデータを示しながら何故室温を一定以上に確保する必要があるかを説いていかれます。
1900年代はじめまでは夏の死亡者数が多かったけれど、1950年の調査では既にヒックリ返って夏は少なく冬に死亡者数が多くなり、近年に近づくほど夏低冬高の傾向がどんどん顕著になってきているグラフがありました。昔と現代では状況が変わったと言う事、昔は夏リスク社会、現代は冬リスク社会。だから住宅も「夏をむねとすべし」から「冬をむねとすべし」に変わらなければという、誰もが好きな「なつむね」をも一蹴する力強いお話もありました。
断熱グレードと改善率というお話の中には「低温は万病の元」という言葉が出てきました。「寒さ」ではなくて「低温」というところがミソです。「寒さ」は低温にさらされた心の状態なので、そうなれば着込む事などでそこから抜け出そうとする。「低温」はまさにその状況のことなのです。低温状況を提供する事がないような住宅環境を作る事が、住宅にかかわるものの責務のひとつだなぁと改めて感じました。なによりしあわせのベースは健康ですから。こんな話を私も沢山していきたいと思いました。
それにしても関西?大阪の方は、話の中に笑いやウケをちりばめその反応をたのしみにしていらっしゃる、ということもよくわかった講義でした。

雨水

2016.02.19